知らないと怖い、リノベーションに必要な建築のルール - 西宮のリノベーション会社、リフォーム会社のリノクルール

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知らないと怖い、リノベーションに必要な建築のルール

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築70年以上!連棟リノベの場合。

70年以上の歴史が刻まれた建物をリノベーションするのですから、その魅力は計り知れませんね。古き良き時代の面影を残しつつ、現代の快適さや機能性を取り入れることができます。この記事では、ただいま工事中のそんな連棟リノベのここだけの話、詳しくお伝えします。

そもそも連棟リノベとは、お隣さんと壁1枚でつながている住宅をリノベーションすることです。連棟はテラスハウスと言われることもあります。
購入の際にローンが使えなかったりするので中古を買ってリノベーションでローンを組むことを考えている方は自動的に対象外になってしまいますが、物件価格自体は比較的安いです。
また耐震は全体でみておかないといけないので他の住人さんにもご理解いただかなければなりません。今回はお隣さんが既にリノベーションされていたので、NOとは言われなかったです、とは言えお隣さんにかかるストレスは、普通の戸建てと比べると大きいのは確実ですのでその辺も考慮しておかないとですね。

土地や建物に関わる法律の確認

道路の種類を確認

リノベーション計画を進めるにあたって、まずは道路の種類をしっかり確認する必要があります。通行量や道路の幅、周辺環境などを考慮することも必要ですが、道路にも種類があるって知ってました??

今回の施主さんは、もともとの持ち主が叔母、その叔母から購入して今回リノベをするとなったのですが・・・
「この家の前の道は私道なので、カーポート付けたいです。」と言われ確認したところ、固く言えば建築基準法第42条2項、よく2項道路と言われてるのですが、みなし道路です。みなし道路と言っても、もう道路なんです。なのでもちろん建築もできませんし、残念ながら駐車場にもできないんです。

ただ、この地域は昔からお住いの方ばかり、もしくは施主さんのように親戚から譲ってもらって住まれてる方が多いようで、普通に路駐されてるんですよね。
でもこちら側としては昔のことは昔のこと、今のルールに乗っ取り進めないといけません。残念ながらカーポートは諦めてもらうことになりました。

防火・準防火地域を確認

リノベーション計画において、防火・準防火地域の確認は欠かせません。火災に強い地域であれば安心して暮らせますし、準防火地域でも対策をしっかりとれば安全です。リノベーションの始まりは安全確保からです!ということで、防火地域か準防火地域かを調べたところ、こちらは準防火地域でした。

防火地域というのはざっくり言うと火災が起こった場合、すごく広がりやすい地域のことです。なので燃えにくい家を建てましょうという決まりがあると思ってもらえたらOKです。
準防火地域は火災が起こった場合、わりと広がりやすいので、そこそこ燃えにくい家を建てましょうという地域です。

断熱の為窓を全て入れ替えたのですが、お隣との距離が1階は3m、2階は5m以内の窓は防火仕様の窓にしなければなりません。ただ、防火仕様の窓って高いんです・・・
でも、リノベーションだと建築確認申請をしなくて良い場合、そこまできちんとしているところは意外と少ないみたいですね💦某サッシメーカーの方に言われました、笑。だから良いってわけではないですよね。もちろんお財布事情も考慮しないといけないので、そのあたりは施主様次第なのかもしれませんが、命にかかわってくるところですから。ただ、何も調べずに普通のサッシをつけてしまうような会社は辞めておいた方が良いですよ。

建築基準法を確認

上記でお伝えした防火・準防火とも重複することですが、建築基準法はリノベーション計画において重要なポイントです。法律を守ることで、安心して暮らせる空間を作ることができます。建築基準法をしっかり確認して、安全かつ快適なリノベーションを進めます。建築確認申請が必要ないからと言ってめちゃくちゃな事をしてしまうリノベーション会社はやめておきましょうね。2025年から法律も変わって、リノベーションでも確認申請が必要になってくるところが増えそうです。そもそも違法建築が増えてきたのが原因なのでしょうね。現在はもともと違法建築だった場合でも、そのままでリノベーションをしてしまえるのですが、それができなくなってしまいます。違法となる部分を今の建築基準法に適合させる工事が必要となり、その分余計に費用がかかってしまいます。

忘れがちな内装制限の確認

内装のデザインや素材選びも重要ですが、制限を確認することも忘れてはいけません。美しく快適な空間を作るために、内装制限をしっかりと把握しましょう!でも、もはや確認申請の必要がないリノベーションリフォーム業者は、気にしてないところも多いかもです。

私が以前勤めていたリノベーション会社も、入社当時、1階のキッチンの天井に木を貼っていた施工事例がとても素敵だったので、こんな素敵な不燃材の木があるだと思い、何を使ってますか??と何気なく聞いたら、普通に不燃でも何でもない木だったのです💦かなりびっくりしました。リノベーション会社って・・・と当時は思いましたが、それからはいろいろとふんわりしていた部分もきっちり調べて共有するようになりました。

建物自体の状態の確認

耐震診断は必ずしよう

リノベーションにおいて、耐震診断は絶対に欠かせません。地震に強い家は安心して暮らせますよね。さあ、耐震診断をして安全な住まいを手に入れましょう!

中古の戸建物件の場合は必ず耐震診断を行うのですが、連棟となると、きっちりした耐震診断は正直できません。今回は3軒つながっていたのですが、残りの2軒も住居の中に入って柱の位置や開口部など全て確認しないといけないからです。築70年で図面なんて残っているわけもなく、確認申請の済証もなく、土地の測量図すらないのですから。
もちろん連棟でも住人全員が協力して、費用も折半して耐震工事をして欲しい!!となった場合は、木造(在来工法)である限りきっちり耐震診断することは可能ですよ😊

ただ今回の耐震工事は、明らかにあかんやん!!ってところに着目して進めました。
まずは基礎がない!!ブロックに柱が乗っかってるだけで金物すらない・・・よくぞ持ちこたえていたなと。冷や汗ものでした。そして、柱の役目を果たしてない柱が・・・・間仕切り解体してるだけやのに柱とれるやん!!とかありつつ、新しく基礎をつくりそれに柱を立て、雨漏りでボロボロになっている梁を補強し、とにかく安全に住めるように

木造戸建ては耐震診断が可能なものが多いのですが、木造は木造でも2×4だとメーカー独自の基準があるためできません。
ちなみに、軽量鉄骨造の場合は手計算で構造屋さんに依頼するので費用はかなりかかります
以前、築50年ほどの木造と重量鉄骨造が隣同士、中でつながっているというなかなかつわもの建築のリノベーションもしたのですが、こちらもきっちり耐震診断は出来ませんので、何度も施主さんに確実ではないですよ、をお伝えしたのを覚えてます。それでもやっぱり補強するだけでも安心ですよね。

断熱診断も必ずしよう

快適な暮らしを実現するために、断熱診断は必須です。冬は暖かく、夏は涼しい空間を作るためには、断熱性能を高めることが大切です。あくまでも数値でしかわかりませんが、断熱診断をしてもらって、どこまで性能を上げるのかを話し合います。ただ、築70年だとさすがに現行の断熱等級まで持っていくのはコストもかかりすぎますので、必要最低限、もともとある断熱材+αで考えました。

ちなみに1階の床下に断熱材は全くありませんでした💦さすがに寒すぎるので床下断熱と、隙間から冷気が上がらないよう気流留めはしておきました。

役所に確認

建築指導課に確認

リノベーション計画において不安な点や疑問があれば、建築指導課に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、より安心して計画を進めることができます。建築指導課はあなたのサポートをしてくれます!

今回はなかなか厳しい状況だったので、管轄の建築指導課に何度か相談に行きました。気になる部分は絶対に確認しています。
実は工事中、近隣からの苦情で建築指導課の方が現場に見に来られたんです。でもこちらも相談に行ってますと伝えたので、それで終わりました。ふぅ~、ドキドキするやん!!笑

今回相談した理由は、3階部分があったので、階段の掛替をすると大規模修繕に当たるので、もしかすると確認申請が必要なのかも??と疑問に。確認申請するとなると、現状の基準法に適合させる工事をまずはしないといけなくなるので、そんな予算はないわけです。この点に関しては3軒の連棟で良かった~、どんなに解体しても建物の3分の1にしか当たらないので過半数を超えることがないとのこと。

それと、外壁が道路に面していた(外壁が道路との境界ライン)のですが、施主さんのご要望で、外壁にガルバリウム鋼板を貼りたい!!と。
そうなると4センチほど道路に越境してしまうわけです。もともと雨戸の竪管も道路に出ていたのですが、私はかなりビビりなので、その辺もしっかり確認。それぐらい大丈夫ですよと言われ、そうなんだ、良いんだ・・・
意外と緩いんだなと思いました、笑。

道路使用許可と道路占用許可

リノベーション計画をスムーズに進めるためには、道路使用許可道路占用許可を取得することが必要です。手続きを怠らず、スムーズな計画進行を目指しましょう!

道路使用許可とは、交通以外の目的で一時的に道路を使用するための許可です。
道路占用許可は、道路上に継続して工作物などを設置するために必要な許可です。

そうです、先ほどもお伝えしましたが、道路との境界が外壁ライン。今回で言うと足場を工事中は継続して設置するので道路占用許可証が必要になり、その足場を立てるために一時的に搬入のトラックを止めて置いたりするために道路使用許可が必要ということになります。

そして・・・この地域なんと前面道路につながる道路に交通規制があって、朝7時から18時まで歩行者専用なんです~!!ひー💦ということで職人さんに車検証をもらい道路通行許可証まで取得しました。

まとめ

リノベーション計画を成功させるためには、様々なポイントに注意が必要です。道路や地域の確認、建築基準法や許可手続き、耐震・断熱診断など、様々な要素を押さえて計画を進めましょう。美しく快適な空間を手に入れるためには、細かい部分にも注意が必要ですね!

特に2025年の4月から建築基準法の改正があり、今より戸建て住宅のリノベーションの規制が厳しくなりそうです。
この部分をしっかり押さえておかないと、近隣からの密告で工事が止まることも実際にあるので要注意です。押さえるところは押さえて、それはこちら側の仕事なので、安心して任せられる会社を選びましょう✨